
そもそも山って何?知っているようで知らない山の定義
当たり前のように使ってる「山」という言葉。でも何がどうなれば山になる?
標高?形?ただのノリ?この辺について調べてみます。
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まず最初に
山の定義は国によって様々です。
いろいろ調べた結果、割と曖昧というかゆるい感じの定義になっているようです。
確かに、天候や地殻変動によって微妙に山の形が変わったりするだろうから、きっちりしすぎると、ある日突然山じゃなくなったり山になったりするからだと思います。
今回は日本に加え、世界規模2団体の山の定義について調べたのでご紹介します。
日本の定義
日本での山の定義はかなり曖昧です。
国土地理院によると「周りに比べて地面が盛り上がって高くなっている所」と、よくある質問ページに書いてありました。
さらに「地面の高さが標高○○m以上とか,地面の傾斜が○○度以上になったらというようには決めることはできません」とあります。
つまり、国土地理院などの行政機関は「山」の定義を定めず、周囲より地殻が隆起していたら山でOKということらしいです。
山の定義が定められていない、すなわち日本一低い山を定められない理由となります。
とりあえず日本における山は以下の感じでいいと思います。
- 標高が周囲の平地から著しく高く、傾斜が比較的急な隆起した地形。
- 山は、頂上、尾根、谷、斜面などの部分で構成されている。
国際山岳連合(UIAA)

UIAAについて
世界各国の山岳協会が加盟する国際的な組織で、登山やクライミングに関する国際的な標準化、安全対策、技術開発などを推進しているとのことです。
日本は日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSC)が加盟しています。
UIAAが定める山の定義
- 標高が700メートル以上あり、山頂に向かって急峻な傾斜を持つ陸地。
- 標高が700メートル未満でも、山脈の一部として形成されている場合、山に分類される。
とのことです。上記の通り標高が700mらしいので日本の山はかなり減りますね。
国際連合環境計画(UNEP)

UNEPについて
ウィキペディアによると、
国際連合環境計画(こくさいれんごうかんきょうけいかく、英語: United Nations Environment Programme、略称:UNEP (ゆねっぷ))は、国際連合総会の補助機関である。
とのことです。ワシントン条約などの生物関連の条約なども管理しているそうです。
UNEPが定める山の定義
- 標高が周囲の海抜面から2,500メートル以上ある陸地。
- 標高が2,500メートル未満であっても、急峻な地形や氷河などを含む場合、山に分類される。
- 仰角が2度を越え、高度が少なくとも1,500m以上ある。
とのことです。UIAAの定義よりも標高がかなり高いです。日本の山は激減しますね。
まとめ
- 標高の基準値:国土地理院は明確にしていないが、UIAAは700m、UNEPは2,500m。
- 地形の基準:国土地理院は隆起した地形。UNEPとUIAAは急峻な傾斜にも言及。
- 標高未満の考慮:UNEPとUIAAは、標高未満でも急峻な地形や氷河がある場合に山に分類するとしている。
日本は山の定義に関しておおらかな印象ですね。
古来の山岳信仰や、起伏が多い日本の地形的に世界の基準を当てはめるのは難しいんでしょうね。
最後に、国土地理院のホームページのよくある質問に書かれていた素敵な文言を引用します。
「もしあなたが,山の始まりはどこ?という興味をもったなら,その山の前に立って,この辺が山の始まりかなというところを感じて探してみてください.」
山の定義におおらかな日本を象徴するような文言ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました!また次回もご覧ください!