
登山者の大敵!ヤマビルの対策と対処方法
冬以外の山で生き血を狙ってうごめくアイツ「ヤマビル」。
敵を知り、正しい対策と対処を持って登山を楽しみましょう!
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はじめに
登山者にとっての大きな悩みの種が「ヤマビル」です。気づかぬうちに靴下や衣服が血に染まり、すでに立ち去っていたり、あるいはまだ足や腕、首に張り付いて吸血中だったりすることも。
そんなヤマビルに好き勝手させるわけにはいきません!正しい生態を知り、適切な対策と対処法を身につけて、オールシーズンで安心して登山を楽しみましょう!
YouTubeで動画も公開中です!よろしかったらご覧ください。
ヤマビルの生態
ヤマビルは、山や森林に生息する吸血性のヒルの一種です。近年、生息域が拡大しており、登山者や森林作業者だけでなく、低山や住宅地の近くでも被害が増えています。
生息場所
湿度の高い場所を好み、落ち葉や石の裏、倒木の下、草むらなどに潜んでいます。沢沿いや水辺、日当たりの悪い湿った場所で多く見られます。
活動時期
主に春から秋にかけて活動が活発になりますが、特に梅雨時期から夏にかけてがピークです。気温が15℃~25℃程度、湿度が80%以上で活発になると言われています。冬期は土中で越冬します。
吸血方法
吸盤で皮膚に吸着し、口器からY字型の傷をつけて吸血します。この際、血液の凝固を防ぐ「ヒルジン」という成分や、麻酔作用のある物質を分泌するため、吸血されていることに気づきにくいのが特徴です。吸血時間は数十分から数時間で、満腹になると自ら剥がれ落ちます。
吸血されないための対策
ヤマビルの被害を防ぐためには、以下の対策が非常に重要です。
ヤマビル忌避剤
何よりヤマビルを自分に近づけさせないことが重要で有効な対策です。
ヤマビルは生物の体温と二酸化炭素を探知することができ、強力な吸盤で体をよじ登って吸血個所を探します。
後述する服装も大切なポイントですが、肌が露出している首までよじ登ってくる可能性も十分にあります。
市販されているヤマビル忌避剤を使用し、ヤマビルを近づけさせない、付着させないようにしましょう。
忌避剤使用のポイント
- 靴、長靴、ズボンの裾、靴下、スパッツなどにまんべんなく塗布します。
- 地面に近い足元(靴、靴下、ズボンの裾)や、リュックサックの下部など、ヤマビルが付着しやすい場所に重点的に。
- 雨や汗で流れることもあるため、休憩時などにこまめに再塗布すると効果が持続します
- お酢や塩水も忌避効果があると言われていますので、応急処置として持参するのも有効です
服装
- 肌の露出を避ける: 長袖、長ズボン、手袋、帽子を着用し、首にはタオルを巻くなどして、肌の露出を極力減らします。
- 隙間をなくす: ズボンの裾は靴下の中に入れるか、長靴やスパッツでしっかり覆い、ヤマビルが侵入できる隙間をなくします。シャツの袖口も手袋の中に入れるなどして閉じましょう。
- 明るい色の服は、ヤマビルが付着した際に発見しやすくなります。
- 厚手の生地: 可能であれば、簡単に吸着できないような厚手の生地の服を選びましょう。強力な歯で生地を突き破ることもあるらしいので、丈夫で厚手な物が望ましいです。
行動の注意
- ヤマビルが潜んでいる可能性のある草むらや湿った場所には、できるだけ立ち入らないようにします。
- 休憩する際は、日当たりの良い乾燥した場所や、石の上など、ヤマビルが少ない場所を選びましょう。
- 山歩き中や休憩中、そして下山後には、こまめに全身(特に足元、首筋、腕など)をチェックし、ヤマビルが付着していないか確認しましょう
吸血された時の対処方法
無理に引き剥がさない
手で無理に引き剥がすと、ヤマビルの吸盤が皮膚に残り、傷口が化膿したり、ヤマビルが吸血時に分泌したヒルジンなどの成分が逆流して炎症や腫れの原因になることがあります。
効果的に剥がす方法
肌に吸着された場合、以下の物をかける事で落とすことができます。
- 食塩
- 消毒用アルコール(エタノール)
- お酢
- ライターの火
- ハッカ水
吸血痕の処置
- ヤマビルが分泌したヒルジンによって出血が続きますが、これは正常な反応です。傷口から血を押し出すようにして、きれいな水でよく洗い流しましょう。毒素を排出する意味でも重要です。
- 傷口を消毒用エタノールや消毒液でしっかりと消毒します。
- 清潔なガーゼや絆創膏で傷口を保護し、出血が止まるのを待ちます。
- ヤマビルの吸血痕はかゆみが続くことがあるため、抗ヒスタミン剤配合の虫刺され薬などを塗布すると良いでしょう。腫れやかゆみがひどい場合は、皮膚科を受診してください。
まとめ
ヤマビル対策は「近づけさせない」ことが最重要です。
吸血されても落ち着いて、正しい方法で対処と処置を心がけましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!